この⽂書は、惑星クレイと呼ばれる異世界の年表について解説するものである。
冒頭の⼀⽂からすでに、単なる妄想の類と評価する読者も多いだろう。実に無理のない感想ではあるが、その認識は誤っている。惑星クレイは実在し、多くの国家や研究機関が公式な資⾦提供を受けて研究を⾏っている。
その背景には、歴史上幾度も惑星クレイの原住⽣命体による地球への⼲渉が観測された事実があげられる。その直近のいくつかは、建造物の⼤規模な破壊などが含まれ(※)、その潜在的な危険度は国家予算をかけて研究するに⾜ると判断されている。
※「Я(リバース)パンデミック事件」「完全なる未来事件」等を参照
だが、この惑星クレイと呼ばれる我らの隣人を単なる危険(リスク)として評価するべきではない。私は研究を進めるにつれて、惑星クレイと地球の間には、分かちがたい関連性があり、敵としてではなく共に歩む同胞として歩み続けるべき存在であると考えるようになった。
アメリカのある大学が解読を進めている異世界文書(※)によると、惑星クレイが存在する世界や我々の住む地球が存在する世界に「よく似た世界」は無数に存在しているとされている。今回私が解説する年表は理解を容易くするために、我々が入手した近似するそれらの歴史のうち、その多くに共通する重要な出来事をまとめたものである。
※「アカシック写本」:記載が自動的に追記・変更・消去されることがある異世界文書
なお、この年表及び解説文書は、今後変更される可能性がある事をお伝えしておく。まず、研究により新たな情報が明らかになった場合に、年表に追記や修正を行う場合がある。また、惑星クレイや地球に起きた事件の影響で、「歴史そのもの」が修正される可能性がある。これは過去にも存在する事例であり、今後同様の事象が発生する可能性は否定できない。
では、準備はいいかね?
ならば、惑星クレイの歴史を紐解いてみよう。