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ユニット

Unit
短編小説「ユニットストーリー」
096 龍樹篇「聖卵祭実行委員長 クラリッサ」
リリカルモナステリオ
種族 ドラゴロイド
カード情報

Illust:結城リカ


「すくすく~♪元気に~♪育つんーだぞ~♪」
 降り注ぐ水が朝日に虹を描いた。
 初夏の青空の下、リリカルモナステリオ学園の裏庭に歌声の花が咲く。
「ロロネロル」
「あ、ドラゴンのお姫さまだー!おはよーっ!」
 ロロネロル──シンガーソングライターとしても知られる獣人ワービーストアイドル──は手を振った。
「もう!その“竜の姫”というのやめて。お友だちでしょう」
「じゃあ、クラリッサ♡お散歩?」
 そう問われたクラリッサは軽く首を振った。黒と水色の髪がさらさらと流れる。アイドルユニットEarnescorrectアニスコレクトのリーダー、クラリッサは竜人ドラゴロイド。頭の角と腰から伸びる美しい青の尻尾がその証だ。
「お話があって、聖卵祭の」「聖卵祭せいらんさい?」
 ええ、クラリッサはにっこり笑った。二人は声楽で同じクラスになっていて、気の合う級友だった。
「あなたの力を借りたいのよ、ロロネロル」
 にゃ?ロロネロルは水出しっぱなしのホースを持ったまま、こくっと首を傾げた。


Illust:藤ちょこ


 「私、聖卵祭実行委員長に立候補しました」
 竜人ドラゴロイドクラリッサの言葉に、大天使アレスティエルと宝石魔法使いウィリスタは目を丸くした。
 生徒の自主性と積極性を奨励するリリカルモナステリオ学園では例えそれが大きなイベントであっても、こうした熱意から始まる“第一歩”を評価し、大役を任せる伝統がある。「成功か失敗かは結果に過ぎない。大事なのは挑戦にむけて踏み出す最初の一歩なのだ」とは大賢者ストイケイアの言葉。ストイケイアは、世界に歌と平和と希望を届けるべく空飛ぶクジラの背の上に乗って世界を巡る、この学園が作られるきっかけとなった偉大な人物である。
「さきほど学園に受理され、正式に開催が決定しました。学生主催・発信のお祭りとして」
 そういうことなんだ、とアレスティエルとウィリスタは顔を見合わせて微笑んだ。
「私たちで出来ることでしたら」
 と大天使アレスティエルが慎ましく白と黒の翼を畳んで腰掛けると、
「手伝うわ、喜んで!」
 人間ヒューマン、緋と蒼の宝石ジュエル魔法使いウィリスタも席について元気よく頷いた。
 ──リリカルモナステリオ、午後のカフェテリア。
 講義の合間に待ち合わせた親友三人は、この広大なスペースに憩う学生たちの注目の的だった。
 天使、人間、そして竜人ドラゴロイドと種族の多彩さもこの学園らしいがアレスティエル、ウィリスタ、クラリッサはそれぞれアイドルとして成長を続ける全校憧れの存在なのだ。
「ありがとう。絶対5人・・中心でやってみたいと思っていたから嬉しい。二人は聖卵祭については?」
 クラリッサは黄金色の瞳をきらめかせた。その信頼のまなざしだけで、一緒に何かすごい事をしてみたい気にさせる。このあたりが“竜の姫”と呼ばれる所以ゆえんだろう。学園の竜人ドラゴロイドがみな彼女に忠誠を捧げ、Earnescorrectのフォロワーが熱狂的な応援を送るのも彼女の才色兼備に対する憧憬や称賛だけではない。異なる力や才能を一つにまとめ心奮い立たせ、目的へと向かわせる器、一挙手一投足に漂うカリスマ性、クラリッサが生まれついてのリーダーと感じるからなのだ。
「はるか昔、勇者が卵から孵したドラゴンと共に世界を救ったという伝説を記念したもの」
 これは“黒翼”のアレスティエルが顔を出したらしい。断定で話す口調はやや硬く冷たく感じられそうだが、友人や信奉者の天使たちはアレスティエルが両翼・・の間で揺れ動くことにも慣れたものである。

Illust:はねこと


「ドラゴンエンパイアの古いお祭りよね」
 と宝石ジュエル魔法使いウィリスタ。
「そうね。この故郷だけ祝ってきたお祭りを、わたしは惑星クレイすべてで祝えるものにできないかと思ったの。これを、わたしたちリリカルモナステリオ学園から広めていきたい」
「あ!チョコレート祭りみたいなものだね」
 ウィリスタが身を乗り出す。チョコレート祭りも同じように地方で行われていた行事を、親しい者同士がお菓子を送り合うイベントとしてリリカルモナステリオの中で流行らせたことにより、一般化し浸透しつつある。
「ええ。ほら、この4月って今までちょうど大きなお祭りってなかったでしょう。だから歴史としては最近のことになるけれど、天輪竜の再誕を記念して、勇者と卵の伝説と並んで惑星クレイにおける新時代の到来を祝福するものにできないかなと。私の故郷とドラゴンにまつわるものだから、どうしてもやってみたくて」とクラリッサ。
「凄いこと考えるのね、クラリッサって。でも面白そう」
 “白翼”のアレスティエルは、博覧強記の“黒翼”の凄みには欠けるが純真無垢な人懐っこさは思わず手を差し伸べたくなる愛らしさがある。
「そう。この新しい聖卵祭は太陽を象徴する神格、天輪真竜マハーニルヴァーナ様のお祭りです」
 クラリッサは多数に語りかけ、説明する口調になった。いつの間にか、三人のテーブルの周りにリリカルモナステリオ生徒のぶ厚い人垣ができている。
「そしてその化身サプライズ・エッグは暁紅院に伝えられてきた神聖なる卵。だからこのお祭りにはひとつの象徴を使ってみたいと思う」
「それは『卵』ですね?クラリッサ様」
 とうとうこらえきれず、ギャラリーの中からペイトンが発言した。人間ヒューマンの彼女は熱心なEarnescorrectフォロワーとして知られている。
「そうね。お祭りでは祝福の『卵』を配りましょう。これから、みんなの力を沢山借りたいの。よろしくね」
 “竜の姫”の言葉に沸き上がる歓声の中、輝くような笑顔を向けられたペイトンは喜びのあまり卒倒した。意識が飛んだ彼女を慌てて他の生徒が支える。
「天使のみんなに呼びかけてくる。色々手伝ってくれると思うから」
 アレスティエルは(これもまたファンの悲鳴にも似た歓声を背に)カフェテリアの天窓へと飛び立った。常日頃アレスティエル争奪戦を繰り広げる天使エンジェルたちが、これからどれほど熱狂的にその要請に応えるかは想像に難くない。
「あとは役割分担だね。組織図を書こうよ」とウィリスタ。
 テーブルが寄せられ、どこからか持ち込まれた大判の紙が敷かれ、筆記用具が並べられる。このあたりの小回りの良さと人と物の融通が利く事は、巨大学園都市であるリリカルモナステリオの真骨頂といった所だ。
「服飾デザイン担当にはノクノを呼びたい。人魚マーメイドの代表にもなるし。いいかな、クラリッサ?」
 種族に均等に役割を振る、いいアイデアだ。
 クラリッサはウィリスタに頷くと、ちょうどカフェテリアの入り口に現れたEarnescorrectメンバーに目配せをして──彼女たちと“姫”クラリッサは一心同体なのでこの後のことは何も言わなくても仕切ってくれるだろう──、にわかに聖卵祭司令本部HQと化したこの場を友たちに任せるといったん席を外した。
 “竜の姫”にはまだやる事があった。
 ロロネロル、アレスティエル、ウィリスタ、そして彼女自身で4人。だが確かに先ほどクラリッサは5人と言ったのだった。では、その残る一人とは……。

Illust:春夏冬ゆう


「なぜわたくしですの」
 吸血鬼ヴァンパイアフェルティローザは、竜人ドラゴロイドクラリッサのカップに薔薇茶を注ぎながら言った。リリカルモナステリオ学園の中庭、校舎の影がさす位置に設けられたテーブルセットはパラソル付きで、ここの主人ホストに昼でも最適な環境を作り出している。
「最後の一片ピースはあなたしかいません。私にはわかります」
「キャッチーな言葉で強く訴える。いい政治家になれるわね、あなた」
 椅子に掛けたフェルティローザはサングラスの奥の瞳を光らせた。初夏は苦手だ。ちょっと陽が眩しすぎるのだもの。
「心に思う、本当のことだけを申し上げています」
「でも“嘘はつかない”とも言っていない。そうでしょう。これは何の選挙演説かしら、竜人ドラゴロイドさん」
 その竜人ドラゴロイドクラリッサは少し緊張しているようだった。それはテーブルの周囲を無言で囲む多数の幽霊ゴーストのためでも、その顔触れはどう見てももっと多数なのに数え始めると何故か11・・人になってしまう怪異のためでもない。
「まぁ、一人でここに来たのだけは誉めてあげる。ここでお喋りをすると楽しすぎてあの娘達ゴーストの一人になってしまうって噂、怖かったでしょう?そこを護符もなく手ぶらで。いい度胸よね」
 享楽の才媛フェルティローザはお茶の強い芳香を楽しみながら笑った。
「あなたは手強いから」
「いっそ“友達”になりたい?ふふっ、MiMishミミッシュの子猫ちゃんたちじゃないんだから」
 またサングラスが光り、フェルティローザの薔薇の刺のような言葉は続いた。
「強者との同盟も政治の基本よね、“竜の姫”様」
「新たな聖卵祭の成功には5人の力が必要です」
「なぁに?二面性の魅力で天使たちの絶対支持を集めるアレスティエルちゃんに、おしゃれで才気煥発な魅了チャーム宝石魔法使いウィリスタちゃん、元気印の超絶シンガーソングライターの獣人ワービーストロロネロルに……そして甘え上手な指導者のあなた竜人ドラゴロイドのお姫様。この4人中心で進めれば成功は約束されたようなものでしょうに」
「成功ではイヤです。目指すは大成功。私はあなたと組みたいんです。舞台演出課程のトップを独走するあなたと」
 フェルティローザが主演・演出を務め、チケットが即完売する定期公演“夜の舞台”は、すでにアイドルを超えたプロフェッショナルな芸術と評されている。
「今度は褒め殺し?無理強いはイヤなのよ」
 とうとうクラリッサは嘆息をついた。
「私がお嫌いですか」
「いや、そんなことない。問題はそこじゃないんだから。肝心な所が鈍すぎなのよ、あなた」
 と頬を膨らませるフェルティローザ、その言葉にクラリッサは目をみはった。
「わからない?あのね、あなたが聖卵祭をどうしても成功させたい理由はなんだったかしら?」
「天輪竜の恩恵と奇跡を広く世に広め、我々を温かく照らす太陽の恵みを寿ことほぎ、祝いたいと」
「そ・れ・よ、それ!……もう!これだからお姫様は」
 いきなり突きつけられた指を、クラリッサは戸惑ったように見つめた。
わたくし吸血鬼ヴァンパイアなのよ。こうして昼出歩くには完全装備が必要なの、わかる?」
 フェルティローザは卓のパラソル、日傘、サングラス、そしていつも携帯している素晴らしい花の香りの日光・・よけクリームをビ・ビ・ビ・ビッ!と指して見せた。
「夜の種族に太陽の祭りを盛り上げる手伝いをしろだなんて、失礼しちゃうわ!」
 ねぇ、とフェルティローザは周囲に同意を求める。怒りの吸血鬼ヴァンパイアアイドルに怯えていた幽霊ゴーストギャラリーは皆カクカクと頷くばかり。
「あの……」「なによ!」
 悠然としたお嬢様ぶりを放棄したフェルティローザは、ケンカ腰で聞き返した。
「『私が嫌いですか』『いや、そんなことない』あたりのご説明を」そこが腑に落ちないクラリッサ。
「あ、あれは言葉の綾というか……」細かい所突いてくるじゃないと額に汗を浮かべるフェルティローザ。
「つまりフェルティローザさんは昼を祝うお祭りだから、祝う気分にはなれないと」
「そうよ!」
「太陽は嫌いだけど、私たち昼の種族は嫌いではないと」
「う、うーん……まぁそういう事ね」
「では、こうしましょう。聖卵祭は太陽と、そして月をお祝いするお祭りにします」
「はぁ、月?」
「えぇ。昼に輝く太陽が天輪竜ニルヴァーナ様とすれば、陽が落ちてから地上を照らすのは封焔の巫女バヴサーガラが司る双子月。昼と夜両方の聖なる光が祝福され、初めて完璧なお祭りとなる。これだわ、最後の一片ピースは!」
 ちなみに惑星クレイは2つの月(旧来の月と遊星ブラントがその活動を終息させて衛星となった「ブラント月」)がある。
「アイデアをください。太陽を象徴する天輪竜が『卵』とするなら、月と言えば……?」
「……」
 勢いに呑まれているフェルティローザにクラリッサは、さぁどうぞ良い案を!と笑顔で手を差し伸べる。
「う、『ウサギ』かしらね」
 惑星クレイにもともと存在する旧月・・には、地上から見上げた時、表面に広がる“海”の形状から兎がいるのだという民話、言い伝えがある。
「そうだ!お姉様、お部屋で飼っていらっしゃいますよね」「あの2羽の可愛いウサギさん!」
 取り巻きの幽霊ゴーストからロスヴィータ、オルトゥードの声があがった。
「余計なこと言わなくていいのよ、あなた達は!」
「それです!ノクノに頼んでウサギさんの衣装を仕立ててもらいましょう。夜の種族を代表するあなたにふさわしい衣装、とびきり可愛いものを。例えばこういうのはいいがですか?」

Illust:春夏冬ゆう


 クラリッサは携帯しているメモ帳にさらさらと手書きでデザイン画を書き上げる。それはできあがりを覗きこんだフェルティローザも思わず絶句するくらい、“なりたい姿”だった。全教科優等生のクラリッサに隙はない。
「あ……でもちょっと待って。わたくしにもイメージというものが……」
「一緒にやりましょう、フェルティローザ。あなたのお陰で太陽と月がひとつになるお祭りになります!」
「呼び捨てを許可した覚えはないわよ!そうやっていつの間にか距離を縮めるの、やめなさい!」いい娘すぎて好きになっちゃうでしょう、もう!
「お姉様」「?」
 声をかけたのは今、フェルティローザのいま一番お気に入り幽霊ゴースト、その名も月に寄り添う幻想曲アーデルハイトである。
「お手伝いします、お姉様――私たちは、貴女と同じ景色が見たいのです」
 負けた。フェルティローザはがっくりと肩を落とした。この学園の娘たちと来たら、どいつもこいつも……。
「あのね、“竜の姫”様」
 ゆらりとフェルティローザは顔をあげた。燦々と降り注ぐ陽光の下で、吸血鬼ヴァンパイアは粋にサングラスを少し下げて可愛く睨んだ。
「やるからには本気で行くわよ、太陽と月の新しい『聖卵祭』」
「はいっ!」
「全世界にネット中継してブチあげてやろうじゃない。あと《世界の選択》の奇跡譚ページェントもやるから!」
「はい?」
わたくしが封焔の巫女で、あなたが天輪の巫女ね。決まり!最後はギーゼ=エンド湾の石舞台で、格好いい剣戟たっぷりのフィナーレ!」
「最高です!演出があなた。音楽はロロネロル、照明はウィリスタ、効果はアレスティエルの神聖魔術で」
「特効バリバリ、殺陣たても手加減なし!そしてわたくしたちが主役よ!クラリッサ!」
 クラリッサが手を差し出すと、フェルティローザは音を立てて打ち合わせたハイタッチ
「フェルティローザ」「なに?」
「私の名前、初めて呼んでくれましたね」
 クラリッサがにっこり笑うと、フェルティローザは──吸血鬼ヴァンパイアとしては異例だが──赤面した。
 昼下がりの中庭に、笑い声が弾けた。
 今をときめくアイドルとその“卵”であり、これからも高め合う友、若さ弾ける少女たちの華やかな笑い。
 『聖卵祭』。
 5人目のメンバーを迎えた祭りの大成功は、もう約束されたようなものだった。

Illust:Nardack




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《今回の一口用語メモ》

聖卵祭せいらんさい
 聖卵祭とははるか昔、勇者が卵から孵したドラゴンと共に世界を救ったという伝説を記念するドラゴンエンパイアの行事だ。
 Earnescorrectリーダー クラリッサが立ち上げた新しい聖卵祭はそれに加えて、より世界で広く受け入れられる祭りとして、新時代を開くきっかけとなった惑星クレイの天に輝く太陽を象徴する神格、天輪聖竜ニルヴァーナの再誕を祝うものにしている。ニルヴァーナの地上における姿は(覚醒するまで)大きな“卵”の形を取っている。この天輪竜の卵は最初の目覚めの時「サンライズ・エッグ」と呼ばれ、《世界の選択》の際にその身は一度滅び、そして遺灰の中から再誕した。これが現在の「サプライズ・エッグ」である。
 開催時期はもともとの聖卵祭と同じく、4月の第1旬に行われる。
 美しく彩られた卵を贈り合う祝宴、というのは今回、リリカルモナステリオ聖卵祭実行委員会が発案しクレイ全土にライブ中継されるものだが、天輪聖竜のページェント歌劇とともに、反響次第では今後の定番と成る可能性がある。

リリカルモナステリオの生徒会
 アイドル学園リリカルモナステリオにも生徒会がある。
 ただし生徒自身が非常に多忙なため継続して役割を担える者が少なく、「生徒会(本部)」の他には「保健委員会」「図書委員会」「声楽委員会」そして「気配り委員会」などがある。それ以外にも、課外活動やイベントなど特別行事ごとに委員会が作られる。生徒会本部(役員)、保健委員、図書委員の説明は通常の学校と同じなので省略するが、これら生徒会活動にはいずれも後述する課外評点がつく。
 声楽委員は楽譜の管理、練習室や伴奏者の手配(ちなみに足りなければ自分で演奏する)、課題曲の周知などその仕事は多岐にわたる激務である。なにしろ生徒数が膨大なため、身一つで実践できる舞踏や演技と違い、どうしてもこうした裏方も多数必要になる。リリカルモナステリオでは裏方もまた大事な勉強の一つであり、下級生が務めるのが定例だが、憧れの先輩アイドルと近く接することができるために人気の役職である。ちなみにこうした地道で縁の下の力持ち的な役割を誠実に果たし続けることは、専門職として「裏方」も養成するこの学園では高い課外評点につながることも理由の一つだ。
 気配り委員会は、全寮制を敷く巨大学園都市リリカルモナステリオ独特の制度だ。実はリリカルモナステリオの名物のひとつが生活と学問両方の「迷子」なのだ。気配り委員会は頻発する寮部屋や教室の迷子を案内するだけではなく、学園生活全般の悩み相談、さらに過密かつ定期試験の厳しさで知られるリリカルモナステリオの履修課程に迷う生徒に、生徒自身が協力するというシステムであり、上級生が担う役割となる。とくに教職志望の生徒には各「寮長」や「生徒会役員」と並び、教師陣から課外評点が与えられる可能性が高いポジションである。

チョコレート祭りについては
 →ユニットストーリー044「澄み渡る雪夜 ベレトア」
 を参照のこと。

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本文:金子良馬
世界観監修:中村聡