ユニット
Unit
短編小説「ユニットストーリー」

ドラゴンエンパイア帝国東部は「東洋」と呼ばれ、さらに海の向こう「極東」と共に独特の文化をもつ地方でもある。
それは、帝国中部から東に行くにつれ、町の建物の屋根が違ってくることでもわかる。
素焼きの赤や橙の瓦から(いわゆる)陶器の黒や灰色の瓦へと。
北都。
東洋では飛び抜けて大きい都市として知られているが、偉大なる竜領主の下で栄えているのは経済や物流だけではない。竹で組み上げた偉容から“編み籠”とあだ名される北都スタジアムはスポーツの殿堂として名高く、帝国軍を支える人材(忍鬼や忍妖など)の多くもまた、この北都を玄関口として大陸各地に散ってゆく。
そしてもう一つ。北都名物として知られ、通を唸らせているのがグルメだ。
「うーん。ここの麺は絶品だったな。スープも実に良い」
腕を組んだ竜のアンドラは目を閉じて、そう言った。だがその口は何も食べてはいない。彼にとって生存に必要なもの、他の生物でいう食料とは、信頼する人間グライの心が持つエネルギーなのだから。
一方、隣の少年は傾けていた拉麺の丼を卓において、ほっと息をついた。
「美味しかったです。ご馳走様でした」
グライは立ちあがると屋台の店主にお代を渡して、何も食べなかった竜アンドラのためにわざわざ席を空けてくれた隣客たちにも礼を言った。
皆、彼と同じく笑顔だ。
ドラゴンエンパイアでは人間向けの店でも竜の客は珍しくない。なにしろ国名の通り、竜の帝国なのだ。
だが(良い意味でも悪い意味でも)天衣無縫な相棒竜の代わりに、笑顔で気を遣う少年となると話は別だ。
しかも今、友の竜と並んで店を去って行く彼グライの身なりも卑しからず、振る舞いも堂々としていて、一体どこの名家の若様かと思うほど立派な若武者ぶりだった。
「気使い過ぎなんだよ、おまえは。グライ」
「アンドラは気を使わなさ過ぎだよね」
「見ろ。連中みんな、いい気分になっちまって」
「力使ったの?」グライが首を傾げると、
「たぶん無意識にな」アンドラは顔をしかめた。
つまり先ほど皆が笑顔になったのは、“少年グライが美味しいと思う満足。お店とお客への感謝”に竜アンドラが共感し、それを店中に伝播させたという事なのだ。これこそが共心竜の“力”だった。
「これはもっとしっかり抑えとかないと、お師匠とバヴサーガラに怒られちまうぜ」
少年よりかなり背の高い竜は二本足で歩きながら、ふと真面目な顔になった。

アンドラは共心竜である。
しかし“共心竜”と聞いても、ほとんどの者は変わった竜だなとしか思わないだろう。そんな名もあるのかと。
だが古老や識者、そして古いお伽話を子供の頃から聞かされてきたドラゴンエンパイア国中北部の民ならば、顔色を変えるかもしれない。
ある恐怖の伝説の記憶を呼び覚まされて。
「バヴサーガラさんは言ってたよね。『2人で旅をしてもっと世界を知れ』と」
「おまえがお師匠の元でも竜駆ヶ原兵学校でもない道を選ぶと聞いて、驚いたぜ。オレは」
竜駆ヶ原兵学校はドラゴンエンパイア中東部にある、竜騎士のエリートをさらに鍛える軍学校。封焔の巫女バヴサーガラも客員教官として籍を置いている。一方、グライとアンドラを一人前の竜騎士にまで育ててくれたのはファルハート。冒火風の里の外れにある庵で隠棲する歴戦のドラグリッターだ。
「でもお師匠様もバヴサーガラさんも、僕らの決断を後押ししてくれたよね」
「路銀だって、金ももたせてくれてな。マジ感謝だぜ」
おかげでいろんな名物も感じられるからね、と笑うグライ。
と言ってもしっかり者のグライは無駄遣いはせず、ここ北都までの旅路でも2人で働いて稼ぐことも忘れなかった。元々が不毛の火山地帯で育ち、グライの実家のある里の農作業や雑事も手伝っていた人間と竜である。日雇いで野良恐竜を追い回したり、野宿することくらい何の苦でもなかった。

少年は北都の中心部にかかる橋の上で立ち止まり、欄干に手を添えてもたれかかった。
黄昏時。“編み籠”北都スタジアムのてっぺんに太陽は隠れつつある。
「これからどこに行こうか、アンドラ」
「あぁ。北西から来て大陸のほぼ東の果てまで来ちまったからなぁ。このままドラゴニア海を越えて東洋に渡るか、西や南に方向を変えるか、グライ」
「バヴサーガラさんは“北の果て”だけは最後にしてほしいって言ってたよね」
「ま。北極圏なんてオレたち竜でもそこそこ備えは必要だし。妥当な忠告じゃねぇの」
アンドラはそう言って頭をガリガリと掻いた。
(竜の振る舞いは見慣れているはずなのに)道行く北都の人々も少し驚いた顔をするほど、人間臭い仕草をするのがアンドラという竜である。
「あの人とお師匠様の考えはもっと深いと思う」
少年グライは顎に手をかけて考え込んだ。
グライは美男である。鍛え上げたしなやかな身体と美しい竜騎士の装いとあいまって、あまりにも絵になる様に、通りがかった人間の若い女子たちが小さく歓声をあげながら通り過ぎる。
共心竜のアンドラは、華やぐ乙女たちの甘ったるい気分を浴びるように感じて思わず天を仰いだ。まったくこれだから人の多い所は苦手なんだぜ。
当のグライはまったく気がつかないまま続けた。
「特にバヴサーガラさんとトリクムーンさんには、何か触れられたくない、僕らにはまだ知ってほしくない事があるような感じがするんだ。アンドラならもっと分かるだろう」
「あぁ。何か隠してはいるな」
だがあの2人の考えはよくわからん。
共心竜の共感能力は万能ではない。その気持ちや思いが感じられるのは共心竜がこれと決めた相手、つまり互いに信頼し合っている同士(アンドラの場合はグライ)の開けた心か、あるいは今の女子たちみたいに大きな感情の揺れがあった時。そして共心竜が相手の気持ちを増幅して伝える時もまた、同様の条件なのだ。
アンドラは首を振り、言葉を続けた。
「だが悪意も感じない。期待と保護してくれる気づかい、そして同じくらい大きな……」
「大きな?」
「不安だ。たぶんな」
少年グライと共心竜アンドラは夕陽の中、見つめ合った。
「……気がついているか、グライ」「もちろんだよ、アンドラ」
2人は表情も、唇さえほとんど動かさずに会話した。
「右手。橋のたもとだ」「さっきからじっと見ている」
「「味方じゃない」」
共心竜とその友グライの思考は同時に断定した。

リリリ……リリリ……
密やかに鈴の音が鳴る。
北都の繁華街。建物に挟まれた薄暗い裏通りにゆらりとその姿は現れた。
細道に入るなり、前傾姿勢で左足からそろりそろりと細道を辿るように地を踏んでゆく。警戒しているのだろうか、一挙手一投足にこめられた集中力と漂う緊張感はまるで舞いのようだった。
すると、人間の女の姿をしたそれは何かに気がついた様に急に歩を止め、左右に鋭く視線を配った。
「僕らをお探しですか」
「だけど追跡者が鈴付きとはいただけねぇなぁ。全然隠れてないっての」
少年グライと共心竜アンドラが声と共に彼女の上方、左右の露台から姿を現した。
彼らの背後は薄暮の空。折しも第一の月が昇り始め、クレイを囲む巨大な惑星がひしめいている。
「!」「!」
彼女が次にとった行動は、グライにとってもアンドラにとっても意外なものだったろう。
羽ばたいて飛んだのだ。真上に。
バサバサーッ!
いま射し込んだ最初の月光の下、女の姿はグライとアンドラのさらに上にあった。
人と竜を飛び越える瞬間、右手の蝙蝠でアンドラの頭頂をポンと打った。
「痛ッ」
アンドラの叫びには抗議の意味が強かった。女子に扇子で打たれたくらいで竜が痛がるわけもない。
「ははは!隙だらけだねぇ、共心竜」
そう言って笑う姿は極東、日ノ元諸島でいう白拍子のものだ。
水干、単に紅長袴。涼やかな声は女。男装の舞人である。
だがこの白拍子には本家とは違う点があった。
一つは烏帽子がなく美しい髪と角が剥き出しであること、二つは足先に束ねられ着けられた鈴、そして三つは……。
バサバサーッ!
羽ばたきの音を貫いて、アンドラの鋭い叫びがあがった。こいつは人間の白拍子じゃない。
「おまえ、悪魔だな!」
「舞楽の忍鬼マイカ」
白拍子の悪魔は水干の胸を張って名乗った。その背と、本来手にあたる部分には羽根があった。
「共心竜アンドラと炎刃のドラグリッター グライと見受ける。一つお手合わせ願おう」
その口調はあくまで尊大で男性風である。
「おう!ぶっ飛ばしてやる!」
頭を小突かれてカッカする竜アンドラが爪を剥き出すのに対して、少年グライは両刃の薙刀を構えつつも冷静だった。
「理由を教えてください。僕らとあなたが今ここで戦う理由がわからない」
ほ、とマイカは驚きの吐息を扇子で隠した。
「理屈っぽいのか臆病なのか。戦いを挑まれて何故に理由を問う」
「感情に流される危険性を繰り返し教えられたからです。お師匠様と先生に」
グライが言うお師匠様とはドラグリッター ファルハート。先生とはどうやらバヴサーガラのことらしい。
「だが戦いとは所詮、破壊的な行いだ。憎しみと怒りは力ではないか。恫喝は相手を怯ませ、威圧は動きを縛る」
「暴力と戦いは同意ではない。力に技能と礼節が加わって武道となり、洞察と知略は時に剣をも上回る」
「それも師の教えか」「そうです」
「ふん。真面目な弟子だこと」
この一瞬、マイカの女言葉が出たのをグライは聞き逃さなかった。
「ごちゃごちゃうるせぇ!ケンカ売られたなら買うのが道理だろ」
アンドラの爪が薄暮を切り裂き、対話を中断させた。マイカはひらりと避ける。
掴みかかる竜と躱す悪魔。
グライはあえて加勢せず、友ではなくマイカの動きを注視していた。
「ははは。まるでイノシシだなぁ、共心竜。全力を出して、そんな程度か」
「……コイツ、ちょこまか動きやがって!」
マイカの動きはからかう様でいて戦いの理に適っている。押せば押すほど力を外され空振りに終わる。
そしてグライはアンドラが高ぶれば高ぶるほど、醒めていく自分を感じていた。
少年と竜のここまでの旅は──冒火風の里の外れから北都まで、稼ぎながら見物しながらで優に一月以上かかった──、特にグライの目を開かせる機会となった。
師匠もバヴサーガラも何も語ってはくれなかったが、アンドラと意思を通じさせるグライとは、どうやら賢人たちにとっては“危険”をはらんで見える存在らしい。
確かに共心竜アンドラとは、グライの心の受信器であり中継器であり増幅器であり、そして時に周囲の人々への発信器でもある。
ではもし自分が、物事を見失うほど心乱されたなら、どうなるか。怒りに、憎しみに、自棄に。
その後に待つのは不毛の闇ではないのか。
『グライ。人々を見よ。その行いを営みを、その心を。それを経て初めて世界の有り様が見えるようになる』
それは出発の直前、バヴサーガラ(と背後に立つトリクムーン)がグライにだけ掛けた言葉だった。
グライはその時なぜか、この人たちは僕らに“懸けて”いるのだと感じた。
気に懸ける。期待を懸ける。成否を懸ける。物事の真贋を懸ける。
「……!」
グライは顔をあげてアンドラに叫んだ。
「アンドラ!人竜一体!」
「おう!」
アンドラの応答にはやっとその気になったか、という期待が込められていた。
上空へ飛び上がる人間グライと降下する共心竜アンドラ。
炎が爆発し、それが出現した。
「仁竜融騎 グライアンドラ!!」
悪魔の白拍子マイカは目を瞠った。
「ではこれが……」
人間グライの顔、直立する竜の身体と尾。右腕は鉤爪。左手にはグライのものに似た輝く薙刀が握られている。
何よりも戦いを生業とするものや、霊的な力を観測できるものならば驚愕しただろう。
それは単なる合体1+1=2ではなかった。
数字では表せぬ力、無限に通じるエネルギー、確かな運命力を帯びた存在だったのだ。
そして今回起こった事としてはもう一つ。
合体した瞬間から、激していたはずの竜アンドラの感情は、落ち着いたグライのものと合わさり、まるで中和するかのように収まっていた。片方が乱れれば片方が抑えて釣り合う。これこそが師匠やバヴサーガラが2人に期待する“均衡”なのかもしれない。

「斬!」
グライアンドラが薙刀を一振りすると路地裏の地面が一直線に抉られ、音も無く鋭く深く切り裂かれた。
「これは一体?」
マイカの声が震えていたのはその威力だけではなく、目の前の存在が先程までの怒れる竜とはまったく別な存在になったのを感じたからかもしれない。
伝わってくるのは闘志と沈着、攻めと防御が渾然一体となった武人の佇まい。
怒り心頭の共心竜を瞬時に収め、制御してみせた。もちろんまだ完全ではないかもしれない。
しかし……これこそがあの若者、グライの強さだとでも言うのか。
「無益な争いに揮う剣はない。だけど、本気で僕らを滅ぼそうとする相手ならば手加減できない」
マイカは地上に引かれた線を見て、悟った。
「それは死線だ。その前から去れば良し。越えれば……斬る」
グライアンドラの言葉に、ひとつ息を吐いて肩を落としたマイカは頷くと、なぜか嬉しそうに微笑んだ。
「彼は彼ら自身を知る途上にあり。当面、暴走の気配は無し。これで良し」
その独り言はまるで報告書の文面のようだが、どうやらマイカが手合わせを仕掛けた目的は今、果たされたようだった。
「ではお別れに一舞献じ候」
悪魔は死線の前、空中で優雅に踊り始めた。
それが唯の舞いでなかった証拠に、薄暮の都市上空が金色に染まり、同じ色に輝く木の葉までが漂い始めた。
儚く美しい舞踏が、ひと時だけ幻を見せてくれたとでも言うのだろうか。
幽玄。師匠が教えてくれた極東の言葉を今、2人で1人の男は思い返していた。
そして全てが薄れたかと思った時、唐突に舞いも金色の世界も去り、ただ笑いを含んだ女の声だけが仁竜融騎 グライアンドラの耳を打って、消えた。
「この国を旅する限り、我らむらくもの目が光っている事をお忘れなきよう。また逢いましょう」
「忍鬼っていったか。むらくもとも。つまりアイツは帝国軍の手先なんだよな」とアンドラ。
「手先というより暴走しないかどうか見ているお目付役、というのが正しいんじゃないかな。どうやら僕らはいつも誰かに監視されているようだね」
とグライ。既に合体は解かれ、アンドラに支えられてグライは緩やかな速度で地上に降り立っている。
「ったくもう、面倒くせぇな」
アンドラはまた頭を掻いた。
グライはそっと微笑んだ。共心竜の絆で結ばれたアンドラと僕は、きっと一つの心の表と裏なんだ。誰にも引き離せるものではないし、アンドラがこうしていつも本音を言ってくれるからこそ、僕も余裕をもって物事に当たって行けるのだろう。
これからもきっと。
北の果てにどんな真実が待っているのであっても。
「行こうか。アンドラ」
「あぁ、行こうぜ。グライ」
2人は互いに手を取り合って賑やかな夜の街に歩き出した。
次の新しい出会い、新しい出来事、世界を知る旅へと、再び。

了
※註.拉麺については地球の似た食品の名を借りた。※
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《今回の一口用語メモ》
諜報部隊むらくも
むらくもはドラゴンエンパイア帝国軍の第5軍、諜報部隊だ。
同じく諜報部隊である第4軍ぬばたまは、東方出身の忍鬼や忍妖を戦力の中核とする点でも似ており、むらくもとぬばたまは“忍び”の技を競い合う関係だった。
無神紀は──神格の加護が失われ運命力が極限まで失われたため──全ての国家と組織が変容せざるを得なかった時代だが、ドラゴンエンパイア帝国軍もまた例外では無く、むらくもは他国への潜入任務に特化していった。
天輪聖紀では、むらくもは引き続き潜入・潜伏任務とスパイ活動を担い、対するぬばたまは(戦場の)偵察や夜襲を専門とする部隊へとそれぞれ分かれており、第4軍と第5軍のライバル関係はそのままに、人材交流も柔軟に行われている。
むらくもはまた国内の特定対象の監視任務も請け負っている。
これは天輪聖紀となって、国家間の人と物流の動きが活発になったためだ。
また天輪聖紀の到来を告げる、新たな神格ニルヴァーナの誕生と運命力の復興は──惑星クレイの全てのものが活性化するという意味で──歓迎すべきものであると同時に、その均衡に注意を払う必要がある。
事実、神格ニルヴァーナを巡る《世界の選択》、グリフォシィドの到来と龍樹侵攻、運命大戦と宿命決戦とその裏で激しくせめぎあっていた聖竜ガブエリウスと邪竜シヴィルト(共心竜シヴィルト)、そして奇跡の運命者レザエルらが現在直面している「月の試練」と、世界は無神紀の衰退と停滞とは反対に急激に変化し始めている。
諜報活動と聞くとどうしても陰謀や権謀術数、暗闘をイメージしがちだが、彼ら忍びの者による不断の警戒と情報収集によって、要らぬ争いや国家間の緊張、誤解や徒労が防げていることも見逃してはならない。むらくもとぬばたまもまた、前線で派手な活躍をみせる竜を駆る者に負けないほど重要な軍の兵力なのである。
少年グライと共心竜アンドラについては
→ユニットストーリー150 「仁竜融騎 グライアンドラ」
を参照のこと。
共心竜と『ツバレンの悪夢』シヴィルトについては
→シヴィルト サイドストーリー「スペロドとシヴィルト」
を参照のこと。
竜を駆る者については
→ユニットストーリー098「ドラグリッター ラティーファ」
ユニットストーリー150 「仁竜融騎 グライアンドラ」
を参照のこと。
忍妖については
→ユニットストーリー170 「忍妖 フタクチヨ」
を参照のこと。
むらくもによるドラゴンエンパイア国内の特定対象監視忍については
→ユニットストーリー028「忍竜 フシマチマドカ」(任務の都合上むらくもと明記されてはいないが)
『The Elderly ~時空竜と創成竜~』前篇 第1話 鳳凰の夢
を参照のこと。
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本文:金子良馬
世界観監修:中村聡
世界観監修:中村聡