カードファイト!! ヴァンガード overDress 公式読み物サイト

ユニット

Unit
短編小説「ユニットストーリー」
208 赫月篇第8話「極光戦姫 セラス・クリアライト」
ブラントゲート
種族 ヒューマン


「捜査とは真実の光を探る旅。そして事件は生き物のように常に変化するもの」
 セラス・ピュアライトはそう呟くと、白い手を閃かせてタブレットをデスクにおいた。
 調書は手書き。服務規程としてこの会話は同時録画されているが、自ら指を動かして書き留め整理するということは、見落としが許されないこの仕事には必須の工夫なのだ。
「あなたも真宵楽園ストレイガーデン招待者ゲストだったとは、“悪魔デーモン”ブルース」
「大昔のことだ。あの頃オレは流れ者だった。……今も似たようなものだが」
 ディアブロス “爆轟ヴィアマンス”ブルースは目を閉じ、腕組みをしたまま答えた。
 2人がデスクを挟んで向かい合っているのは、資料閲覧室。
 グレートネイチャー総合大学が誇る広大な図書館の一室であり、これもまた意外なことに、ギャロウズボールのスター選手ブルースは過去にこの部屋を利用したことがある。もっとも、その時の相手は事情聴取を求めるブラントゲート国の捜査官ではなく、急な悪魔の到来に怯えきった気の毒なハイビーストの司書だったのだが。
「ご協力感謝します。率直な証言にも」
「隠すことなど何もない。ここに居たのも偶然だ」とブルース。
「はい。こちらの大学でチーム・ディアブロスが巡業中だったのはまさに僥倖ぎょうこう
 超銀河警備保障コスモセキュリティは私設企業。ブラントゲート国外の活動は各国政府が許可する範囲内に限られ、捜査にはこうした協力と理解が欠かせない。もちろんブルースが明かした若き日の体験は、張り巡らせた超銀河障壁とセラスの職責によって守られ、かの楽園での逸話は他者に知られる心配は無かった。
 セラスは、卓に広げられたストイケイアの地図上に黒いピンを1つ立てた。
「さて。あなたの遭遇地点はここ・・でしたね」
 ブルース以外のピンは、ズーガイア大陸全域に広く分布していた。一見、何の法則性もないようだ。
「それで何かわかるのか」
「判らないという事が判るのもまた捜査では大事なことです。全ては対象を理解するため」
 セラスが頷くと、その仕草に合わせるかのようにヘッドセットのアラームが鳴った。
「折良く獲物がに掛かったようです。それでは」
 別れの挨拶にブルースが目を開けた時、すでにセラスの姿は室内から消えていた。
 臨戦態勢の捜査官はかすみのように去っていったのだった。

Illust:田口美穂



「おイタが過ぎた様ねぇ。冷たい監獄で反省なさぁい♡」
 極光戦姫ウェルト・キップルが鞭をふるうと、夜空に鮮やかなピンクの軌跡が描かれた。
 するとフォレストドラゴンの背後にワームホールが開き、
 ──!
 楽園を訪れし者リーヴスフェザー・ドラゴンは収容され、瞬時に惑星クレイから姿を消した。

Illust:mado*pen


「余計なこと、言わない」
 極光戦姫フロウレス・ライラはもう一体の楽園を訪れし者ウィルズレンを収容して、同僚に振り返った。
 その言葉は冷たく、きつく聞こえるが実際の所、彼女は任務に完璧flawlessを求めているだけ。それはウェルトもよくわかっていた。
「はいはい。で、どうする?指示のあった“楽園を訪れし者”は確保したのよ。このまま森の中で待つつもり?」
 フロウレスは手を広げて周囲を示した。
 ここはレティア大渓谷の縁、ぎりぎりに位置する森の中。時は宵の口である。
 本来ならば捜査どころか、道に迷ったとしても近づくことすらできないこの一帯も今だけは、隊長と昵懇じっこんのマグノリア王から特別許可が出ている。
 一方、ハンディレシーバーを耳に当てていたフロウレスは頷いた。
「そうね、待機。対象・・が交渉のために現れるかもしれない」
「いつまで?」
 鞭を収めて首を傾げるウェルトはすがるような目をした。
 樹角獣は大人しい性格のものが多いと言うし、皆マグノリア王の忠実な家臣でもあるけれど、ここはやはり異国の森。今回の任務の特殊性もあって正直、居心地が良いとは言いがたい。
「命令が解除されなければ、いつまでもよ」
 フロウレスの淀みない返答に、ウェルトはガックリと肩を落とした。

Illust:小澤彩音


 銀河永久監獄ギャラクトラズは「銀河中央監獄ギャラクトラズ」に新設された特別棟。
 従来のギャラクトラズ監獄との違いは、複数の囚人を同時に収容し、最新鋭の監視システムによって、ただでさえ脱獄不可能と呼ばれている警備をより強固なものとしていること。
 特にこの脱獄対策については以前、かつてギャラクトラズを混乱と困惑の渦に巻き込んだ(偽装)囚人、ブリッツCEO ヴェルストラの行動を分析、研究した結果が活かされているとも言う。

 この銀河永久監獄ギャラクトラズはつい最近、運用が始まったばかりの設備である。
 そのような訳で、本日もブリッツ・インダストリー社製ワーカロイド、セキュリティ・アップグレーダーは複数が同時に収容されてきたのを受けて、全速力で──これがカタログにも載っているこのクラスの一押し性能だからだ──収監準備へと入った。
 pi!
 警告音とともに、手続きの進行が停止した。続く命令は速やかで、対応にも時差はない。
「送還手続きに移る!」「了解。送還シークエンス開始」
 アップグレーダーはワーカロイド。カタログにも(人間でいう)感情は付加されていないとされる。
 それでも、目の前で収容され、またクレイへと還されるハイビースト達を見つめるカメラアイには、一種の悲哀のようなものが漂っているようだった。

Illust:トビ丸小夏


 リーヴスフェザー・ドラゴン。
 そして、ウィルズレン。
 ワームホールから、森の中へ送還された“楽園を訪れし者”は一様にホッとした様子だった。
 その安堵はもちろん、突然送られた異界の監獄から出られただけではない。
 彼らが慕う楽園の主が出迎えたからだ。
「お帰り。怖かったでしょう、こんな突然捕まえられちゃって」
 楽園へ導く者 ナナクリルは笑顔で語りかけた。
 だが──。
「あなたの確保と引き換えに、“楽園を訪れし者”たちは開放した」
 硬い声は事実だけを告げていた。
 極光戦姫セラス・クリアライト。
 その手には鎖を握り、鎖は巨大な手錠──ナナクリルを二重に拘束している──に繋がっていた。
「もう一つの約束も守ってもらいたい。風の妖精シルフ。この私、極光戦姫セラス・クリアライトの名の下に」

Illust:ERIMO


 鮮やかな青と白に彩られたセラス・クリアライトの超銀河兵装オーロラフレームは(先にブルースに事情聴取した、極光戦姫セラス・ホワイトのものともまた違って)今回の捜査に備え、入念に準備を重ねた最新型だ。
「約束って?」
 ナナクリルはあくまで笑顔だ。
 とぼけているのでは無く、厳しい顔で“容疑者”を見下ろす極光戦姫たちも、彼女にとっては楽園を訪ねてきたお客様だからなのだろう。
「聞きたいコトに答えてもらいますよ」
 と極光戦姫ルビー・クリムゾン。サイバー銃と黒兎のヌイグルミは決して離さない。燃えるような髪と同じく、瞳も炎と燃えている。何しろこのひと月というもの、夜ごとに真宵楽園ストレイガーデンの出現をチームで追跡しては逃し、追いついたかと思えば朝になって消滅し……と徒労を繰り返してきたのだ。勝ち気な彼女には拷問のような日々だったことだろう。

Illust:ERIMO


「んー、聞きたいことって?」
 ナナクリルは、巨大な手錠にがんじがらめになりながらも呑気に聞き返した。
 ルビーが明らかにイラッとなったのを見て、キルナが割って入った。

Illust:ERIMO


 キルナ・コバルト。
 エイリアン犯罪者の中でも「絶対に怒らせてはいけない」とその名が畏怖をもって語られる極光戦姫、近接格闘術のエリート。とはいえ仕事のオフや、相手に抵抗の意志がない今のような状況では物静かな女性だ。
「聞きたいことは沢山あるわ」
「あははっ。それ、月の門番も同じこと言ってた。あなた達は警察?」
「のようなものね」
 とキルナ。ブラントゲートの警備会社『超銀河警備保障コスモセキュリティ』を特に国外で説明する時、彼女たちはくどくど説明するよりもこの“警察のようなもの”で済ませる。実際には、通報一本で駆けつけるセキュリティガードとして、個人から企業、公的機関(警察も含む)までが絶大な信頼を寄せているのがコスモセキュリティ。なお有料ではあるがお値段は妥当、各種決済も使えて分割払いもOK。何より、一度依頼すると無料アフターサービスも万全と評判である。

Illust:ERIMO


「ほら。ナナクリルさんと真宵楽園ストレイガーデンって、こうして地上に現れるだけでなく、月まで行っちゃうじゃないですか~。あれが最大の疑問なんですよねっ」
 ウインクする極光戦姫リサット・ピーチ。親しみやすく場の雰囲気を和ませる彼女は、男性のみならず女性の顧客からも指名でボディーガードの依頼が殺到しているが、その手にある大型熱線銃のマスターでもある、楽しくて頼れる“お姉さん”なのだ。
「なーんだ、そんな事のためにリーヴスフェザーやウィルズレンを人質にして、私をおびき寄せたというの?」
「不審者を一時“収容”しただけ。害意や滞在違反がなければこうして送還される」
 セラス・クリアライトはまたも事実だけを読み上げる口調で告げた。
「わざわざそんなことしなくても、ただ呼べば来たのに」
「私は何度も呼んだが来なかったぞ。この森で」
「それは気持ちの問題よ。もっと切実に願わないとね」とナナクリルは笑う。
「まだリサットの質問に答えていないな。君と真宵楽園ストレイガーデンが月まで行ける理由は?」
「わっかんなーい」
 赤のルビーとピンクのリサットがつんのめった。青のキルナは眉根を寄せ、白のセラスは微動だにしない。
「だって呼ぶ声がしたんだもの、あの月からも」
「ふむ。月の門番ヴェイズルーグが、心の癒やしを求める衝動はそれほど切実だったということか」
「んー、そうかもねー」
 ナナクリルはまた笑顔を浮かべた。
「そういえば、あなた達はよく楽園に辿り着いたわね。見ているかぎり、不安そうでも疲れる様子でも休みが欲しいようでも無いのにね」
「この会話にもう疲れてますけどね、わたし」
 とルビー・クリムゾン。極光戦姫の中でもかなり振り切った性格の彼女でも、ナナクリル相手には調子が狂うらしい。
「ここは癒やしの空間。あなたの思う通りにすればいいのよ」
「え?!じゃあこの楽園って願い事を叶えてくれたりするの?欲しいものとか?」
 リサット・ピーチが身を乗り出した。無意識のうちに尋問になっている。
「ううん。私は話を聞くだけ。でもみんなスッキリして帰るわよ」
 これにキルナが反応した。
「話したくない者は?」
「優しい人なのね、あなた。でも大丈夫。静かな場所が良いのなら楽園はそれに応えるから」
 ナナクリルは手錠の隙間から腕を伸ばして、キルナに優しく触れた。
 いつも冷静なキルナの目に動揺が──気のせいでなければ少し涙が──浮かんでいるのを見て、セラスが質問を続けた。
「こうして対面できたのだから、どうしても聞きたいことがある。ナナクリル」
「はい、なんでしょう?警察みたいな極光戦姫のリーダーさん」
 楽園へ導く者ナナクリルはにっこり笑った。
「伝説によれば、君は“明日に迷う者”を楽園に招く、風の妖精シルフだ」
「そうね。正確には、招くのではなく、迷い込んできた人をおもてなしするんだけど」
「シルフの力の源は“風”、元素の力だ」
「そうよ。私、風とお友達なの」
 ナナクリルはにこにこ笑いながら手を振り、大気を動かし、操ってみせた。
 手錠で拘束され、犯罪者がその名を聞いただけで震え上がる極光戦姫たちに取り囲まれても、友達とパーティーしている程度にしか感じていないようだ。

Illust:藤ちょこ


「シルフは元々、惑星クレイに棲息し“風”の元素に属する種族だが、ナナクリルはそれを、楽園を形作り維持する力に変えられるらしい。つまりナナクリルと楽園が、宇宙的な病変である『赫月病かくげつびょう』と関係している可能性は極めて低いものと思われる。現場としての脅威分析判断はゼロ。ただし楽園からの帰還者の精神的変化については要警戒であり、一考の余地あり」
 このセラスの推測は録音され、先の発言「なぜ真宵楽園ストレイガーデンは月にも現れることができるのか」の推測と合わせ、森近くに待機しているドローン経由でコスモセキュリティのデータベースに記録された。
「うんうん。楽園の効能も含めてそういうことよね。赫月病かくげつびょうなんて私、聞いたこともないし」
 お気楽に微笑んでいるだけに見えるナナクリルがきちんと報告を聞いて、かつ内容を理解したこと以上に周囲を驚かせたのは、セラスが短く終了コマンドを告げて回線を閉じてしまったことだ。
「聴取終了」
「楽園を楽しむ気になったみたいね。セラス」
「私はまだ警戒は解いていない。ナナクリル」
 旧知の友達のように呼び合う2人に、ようやく合流してきた極光戦姫ウェルト・キップルとフロウレス・ライラまでが目を丸くする。
 セラスは誰もが認めるコスモセキュリティのエースであり、仕事もプロ意識も立ち居振る舞いも完璧。警戒は解かないという前提つきだとしても、肩の力が抜けたセラスなど、隊員の誰も見たことが無かったのである。
「皆もくつろいだらどうだ」
 セラスはオーロラフレームの戦闘態勢をオフにしてごろりと横になり、その豊かな髪が美しい絹織物のように草地に広がった。
「どうぞどうぞ」
 そう言いながら手を伸ばすホストのナナクリルが全身巨大な手錠で拘束されているのは、かなりシュールな光景ではあるが、最初はぎこちなく、そしてしばらくすると極光戦姫たちもそれぞれリラックスして、楽園のハイビーストやフォレストドラゴン、シルフ達と交流し始めた。

「仕事ばかりで、くつろぐ暇なんて無いんでしょう?普段は」
 いつの間にか微睡まどろんでいたセラスが目を開けると、ナナクリルが笑顔で覗きこんでいた。
 周囲の草地では、隊員たちも眠っている。心を癒やす楽園の力は安眠を促すのだ。
 ナナクリルの手錠は外れていたが、セラスの表情に驚きの色は無い。
 彼女たちの持つ超銀河装備がこの楽園ではほとんど力を発揮しないことに、セラスは気がついていたのかもしれない。
「まだ聞きたいことがある、ナナクリル」
「楽園がなぜ、いつ、どうして生まれたのか?ねぇ、それは誰も説明できないと思うわよ、セラス。あなたは、吹く風を止められる?時には起こることをあるがままに受け入れる。それが自然との上手なつきあい方だと思うけど」
「……」
「とは言ってもまた追い回されるのもイヤだし、あなたも説明できないのでは困るでしょう」
 ナナクリルは、取り出した紙に指でさらさらと何事か書き付けた。それは楽園の草とその繊維から編まれた魔法の“風草紙ふうそうし”であるらしく、なぞった後には可愛らしい筆跡で光る文字が残されている。
「……これで良し、と。じゃ、マグノリア王にもよろしく伝えて」
 何が良いのだ。セラスは、くるりと踵を返したナナクリルを呼び止めた。
 風の妖精は肩をすくめる。
超銀河警備保障コスモセキュリティが警戒し、あなたが私を追い、マグノリアが森の動物が迷い込まないように注意を払うのは、私の目的がわからないから。人であれ獣であれ、理解できないものを恐れるのは本能よね」
 セラスはまたナナクリルの達見に唸った。これは犯罪の防止と治安維持の基本でもある。ナナクリルについて得た感触のもう一つ、どう見ても天衣無縫そのものの風の妖精シルフが、実は高い知性と理解力、洞察力を持っていることが裏付けられたのだ。
「だからここに、共通語と魔法文字──こちらは嘘を書けない誓約の言葉としても使われるわね──の両方で、こう書いてあるの『楽園は拒まず、侵さず、ただ心の安らぎを求める者のために門を開くものなり』とね。私の署名入りで」
 証文あるいは誓文というべきか。セラスは頷かざるを得なかった。
 夜現れて朝には姿を消す気まぐれな妖精相手に、これ以上確かな約束を求めることは難しいだろう。しかもナナクリルの指摘通り、セラスの職責にもマグノリアの(樹角獣の王国の主としての)義務としても、理に適っている。
「できれば私を追うことは止めて、今後はお客様としてここを訪れてほしい。真面目な人ほど、無意識のうちに背負う荷が重くなるものだから」
 ナナクリルはここまでを真面目な顔で、続くひと言をまた笑顔で言った。
「まぁ無理に捕まえようとしても、こうして朝がくれば私は消えてしまうだけだし」
 セラスは軽くため息をついて、楽園と共に朝陽の中に溶け込むナナクリルに最後の言葉をかけた。
「報告がどう受け取られるか、保証はできないが……また来よう。いつか必ず。楽園へ導く者ナナクリル」
「待ってるわ、極光戦姫セラス・クリアライト」
 そして楽園の主は消えた。
 森の早朝。
 自然豊かなストイケイアでは、昼の生き物が動き出す賑やかな時間だ。
 柔らかな草地に残されたセラスは、起き出す極光戦姫たちを振り返りながら──もしこの捜査の果ての邂逅に勝敗をつけるのだとすると──今回は私の負けだな、と感じていた。



----------------------------------------------------------

《今回の一口用語メモ》

真宵楽園ストレイガーデン③/第703-F号 誘引・誘拐事案(暫定分類:高次精神干渉)ストイケイア国捜査報告、一応の解決として

 真宵楽園ストレイガーデンとその主、楽園へ導く者ナナクリルについて、録画分析データを添付し、本報告書では捜査主任として、当事案の一部解決を上申すると共に、捜査本部の解散を進言するものである。

 添付にもある通り、証拠と実態に照らしてみるに
真宵楽園ストレイガーデンは、赫月病かくげつびょうとは無関係の自然現象」
 というのが本官の結論であり、報告の要旨である。
 なおナナクリルが残した書状(誓約文)は、レティア大渓谷のマグノリア王も閲覧し
・ストイケイアの森の動植物の安全を脅かさないこと
・レティア大渓谷への立ち入りは避けること
 を守る限り、ナナクリルと楽園について咎めることはないと言質を得ている。
 これは、不安や悩みに心塞ぐ者を癒す場としての『真宵楽園ストレイガーデン』をストイケイア国の有力者が認めたということであり、他国が主な現場となる事案ではあるものの、本件の処理は、現時点における最適解として、関係者の理解を得られるものと本官は考えるものである。

 最後に、本官は(友人でもある)マグノリア王の護衛として、上記の約定を取り交わすべく、再度の真宵楽園ストレイガーデンとの接触も依頼されている。出張申請も添付した理由としては、近くマグノリア王を含む天輪関係者ならびに運命者・宿命者がナナクリルと接触する機会に備えたもので、検討いただければ幸いである。

極光戦姫 セラス・クリアライト/『真宵楽園ストレイガーデン』捜査主任 兼 特別捜査官


悪魔デーモンブルースが以前、グレートネイチャー総合大学図書館の資料閲覧室を訪れたエピソードについては
 →ユニットストーリー065「リペルドマリス・ドラゴン」
 を参照のこと。

図書館と資料閲覧室以外のグレートネイチャー総合大学施設としては、大ホールが世界樹の音楽隊ワールドツリー・マーチングバンドのステージとして登場したことがある。
 →ユニットストーリー191「誠実なる奉奏 サンセリーテ」
 を参照のこと。

セラスと極光戦姫たちについては
 →世界観──ライドライン解説「瀬戸トマリ」も参照のこと。
 装備も一新し、能力は向上しているが基本的なプロフィールは以前と変わっていない。

月の門番ヴェイズルーグとナナクリル、真宵楽園ストレイガーデンについては
 →ユニットストーリー201 赫月篇第2話「楽園へ導く者 ナナクリル」
 を参照のこと。

ブリッツCEO ヴェルストラが、銀河中央監獄ギャラクトラズに潜入した結果、前代未聞の一時脱獄まで果たした事については
 →ユニットストーリー110 龍樹篇「宇宙監獄長 ジェイラス」
 を参照のこと。監獄長ジェイラス氏も今回の監獄新設にはさぞ溜飲が下がる思いだろう。

----------------------------------------------------------

本文:金子良馬
世界観監修:中村聡