ユニット
Unit
短編小説「ユニットストーリー」
232幻真星戦編「零の幻真獣 グリヴァルディ vs 穿雷竜 アルファルド “幻影”」
ダークステイツ
「旧き孤独な友よ。この世界には汝の力が必要だ」
──調停の封焔バヴサーガラ・アークシャイアより魔宝竜皇ドラジュエルド・マグナスへ

ドラゴニア大陸北部、ファントムドーム『ドラゴンエンパイア』。
「ファントムガーディアンは、我と泡沫の大魔法師を残すのみ」
穿雷竜アルファルド “幻影”は、彼が率いる塁壁の頂に立っている。
ドーム内部から見る現実世界は白い帳の向こう。
幻世界のエリート軍人として輝かしいキャリアを築き上げた彼が望むものは、そちら側には無い。故郷も仲間も友も……全て失った宇宙の放浪者、彗星竜アルファルドにとっては。
「守ってみせる。またこの我が最後の一兵となろうとも」
(アルファルド様)
そっと首元に貼り付けたスピーカーが震えた。声は、歩哨に立っている雷鳴仙人ゲルビトールのものだ。
「南より敵接近。単体です」「見えている。ヤツだろう」「部隊を招集いたしましょうか」「いいや。我らの砦へ、たった一人でやって来たことに敬意を表し、我自ら歓迎してやろう」「……」
最後の沈黙は、全隊共有した返答への反応。
つまり部隊全てがこの瞬間、凍りついたのだ。
そして確信する。侵入者が誰であれ、
終わったな……と。
「零の運命者だと」
配下全ての信頼を集める司令官アルファルドは、風雪の中、歩み寄ってくる者に向かって吐き捨てた。
「裏切り者めが」
知っているか、侵入者。
我が軍隊において、即座に死の処断を下す罪は2つ。
敵前逃亡ともう一つ。
それが“裏切り”だ、ブラグドマイヤー。

Illust:DaisukeIzuka
──約2ヶ月前。
救済の零ブラグドマイヤー “幻影”は咳込んだ。
「心配ない。決着がつくまで敗者は眠らされる。死ぬわけでは……ない」
「ブラグドマイヤー!!」
「頼む。皆を、幻から現実に……」
レザエルの腕の中で意識を失った。
「心配ない。決着がつくまで敗者は眠らされる。死ぬわけでは……ない」
「ブラグドマイヤー!!」
「頼む。皆を、幻から現実に……」
レザエルの腕の中で意識を失った。
零の運命者 ブラグドマイヤーは目を閉じて、開いた。
するとそこは月面で、彼は仰向けに砂礫に横たわっていた。
惑星クレイは目の前、つまり中天にあった。見かけは地上で見る月よりも大きい。クレイの背後には近隣の巨大惑星が漆黒の宇宙にひしめいていた。
夢を見ているのだ、とブラグドマイヤーは呟いた。
「夢ではない。ここは惑星クレイの月の“衛星直下点”だ。君の心と身体を休めるため、私が保護している」
本来、声など聞こえるわけはない。月の大気は極めて希薄なのだから。
だがブラグドマイヤーには声の主に心当たりがあった。
「ヴェイズルーグだな」
「いかにも。こうして直接には初めてお目にかかる。零の運命者よ」
レザエルから聞いていた通りの姿が、視界に入ってきた。よく見てみると、保護というだけあって、寝かされたブラグドマイヤーは透明な皮膜のようなもので覆われているようだった。
「クレイは?世界はどうなっている!」
起きあがろうとしたブラグドマイヤーを、ヴェイズルーグは手振りだけで抑えた。
「無事だ。ファントムガーディアンであった君が倒されたことで、我々は一段階、ミラージュタワーへの距離を詰めることができた」
「オレは戻る!戻って戦わねば。現実のために!」
「ブラグドマイヤー。気持ちはわかるが、幻世界に対して対抗できるのは、幻真獣とその加護を受けた者だけだ。しかも君は現実世界に復帰したとはいえ、傷つき消耗している。ここで時間をかけて休息するのだ」
「しかし……」「ブラグドマイヤー。レザエルにも同意を得ている。我々を信じてほしい」
零の運命者は深く息をついた。
現実世界、そして幻世界で得た様々な情報がいま頭の中を駆け巡っている。
「わかった。休むことが皆の望みなら、その通りにしよう。だが一つ頼みがある」「聞こう」
ブラグドマイヤーは惑星クレイを見上げた。彼の大事に思う人々があの星で戦っている。
「もしこのオレが戦える機会があれば、オレを惑星クレイに戻して欲しい」「……」「ダメか?」
ヴェイズルーグは空を見上げて考える風だった。その視点の先には、輝き駆動する“月の門”がある。
「汝が戦える状態になれば、あるいは。だがそれにはそもそも幻真獣が要る。幻真星戦と今回の赫月病は、我にさえ、予測がつかないことばかりなのだ。何も保証はできない」「それでもいい。オレには救いたい魂があるのだ、ヴェイズルーグ」
そうか。わかった、とヴェイズルーグは頷くと、ブラグドマイヤーに向かって手を差し伸べた。いま彼に必要なのは休息なのだ。
視界が暗転する。
母なる惑星クレイに見守られるそれは、あの幻世界の、偽りの記憶がもたらしたものともまた違う、穏やかな心地だった。
「では、眠れ。良き夢を。ブラグドマイヤー」
──現在。ファントムドーム『ドラゴンエンパイア』内部。
白い障壁にも阻まれることなく抜け、無人の長い回廊──以前、クリスレインとウルティニアスが襲撃を受けた地点だ──を通り過ぎて辿り着いたのは、円形の広場だった。
薄暗い室内。周囲は石造りの壁、上部は石段となっていて、そこにはドラグリッター レキ、雷鳴仙人ゲルビトール、雷鱗の拳闘士ブラジェドを筆頭に、なるかみの精鋭たちがひしめいている。
零の運命者ブラグドマイヤーが思わず辺りを見回したのは、これだけの人数が詰めかけていながら、咳ひとつあがらないことだ。兵たちは無言であり、その訓練された凝固はほとんど音をたてない。
理由は明らかだった。
彼らは一瞬も見逃すまいと目と耳を研ぎ澄ませているのだ。
これからこの闘技場で繰り広げられる死闘。
いや、一方的な“制裁”を。
「見くびられたものだ」
一気に照明があがった。

Illust:なかざき冬
ブラグドマイヤーは正面に立つ穿雷竜アルファルド “幻影”を見返す。
右腕のパイルバンカー型突撃槍、全身にまとった雷電のオーラ、鍛え上げられた構えには一部の隙もない。完璧な戦士竜、武人の佇まいだった。
「殺されに来たか、この我に!」
「話し合いに来た、そのお前と」
ブラグドマイヤーの静かな声は、低い遠雷のようなアルファルドの声と同じほど通った。
「話すことなど何もない」「オレにはある」
──!
ブラグドマイヤーが身体を揺らした。アルファルドが放った電撃が腹に当たったのだ。
「戦え!」「まだだ」
次の雷撃は避けた。すると、ブラグドマイヤーの背後に追随する小さな渦が見えた。
「! そうか。現実世界の貴様にはそれがあったな。零の虚だ。そもそも貴様一人で幻化の力に対抗できるわけもない」
「……」
「そこの幻真獣!背後に隠れていないで姿を現せ!」
「彼は恥ずかしがり屋なのだ」とブラグドマイヤー。
「余計なことを言うな」耳元で声がする。
穿雷竜は笑わなかった。
「出てこないか。まぁよい。1人でも2人でも同じことだ。どんな策を弄しようともな。裏切り者には死を!」
「裏切ってはいない。オレはお前の助けになりたいのだ、アルファルド。友として」
ぽつりとブラグドマイヤーは言い、それが穿雷竜を激昂させた。
「友?助けるだと?!裏切り者の貴様に、赫月の力を得たこの我の何を助けるというのだ!」
! !! !!!
次の攻撃はもはやジャブではなかった。ブラグドマイヤーは続けざまに被弾し、最後の一撃だけは辛うじて躱す。
「限界だ。放て、ブラグドマイヤー」「……」
背後からの声に促されるまま、ブラグドマイヤーは体勢を立て直すと力を解放した。
運命力の輝きが全身を覆い、吹き払われると、そこに現れたのは剣を掲げる黒き悪魔。

Illust:DaisukeIzuka
零から歩む者ブラグドマイヤー・ネクサス!
それはかつてもう一人、彼が心から助けたいと決めた少女のために得た姿だった。そして今もまた。
変化といい、変身という。兵器ならば変型だ。
今こそ、必殺を期して狙う絶好のチャンスだった。
だが、穿雷竜アルファルド “幻影”は放ち続けてきた雷撃を、ほんの一瞬ためらった。
何故かは本人でさえ分からなかっただろう。
あえて言えばこの瞬間、倒すために振るう刺突の勢いを、救うために掲げられた剣が上回ったのだ。
そしてこれが、この戦いの分水嶺となった。
ブラグドマイヤー・ネクサスは背後から零の虚を引き出すと、それをトロフィーのように持ち上げた。
「無の申し子と共に来たる、月より出でし真なる獣。零をもたらす、根源の死神……」
『零の幻真獣グリヴァルディ』!
ここでアルファルドは訝しげな様子となる。
「零の幻真獣か。そのような戦力が存在するとの報告は受けていなかったが」
「おまえが知っているわけがない」
渦から飛び出て、闘技場の石畳にすっくと立ちあがったグリヴァルディは、巨大な鎌をくわえた四足獣。
燃え上がり揺らめく紫の炎に包まれ、紫紺の衣を翻すその姿は、クレイの伝説にいう“死をもたらす”地獄の獣のようである。
「我はこの戦いのために呼ばれた幻真獣。ブラグドマイヤーの願いと、2つの存在が力を貸した結果、生じた」
「どういうことだ!」
問いながら放った雷撃を、零の幻真獣は鎌の一振りで弾いた。

Illust:北熊
──月面、昨日。
「月の門が起動しているだと?!」
月の門番ヴェイズルーグが動揺することなど滅多にあることではない。
だがそれ以上に、突然の招集と戦闘を挑まれた祖の幻真獣たちロズトニル、ガルズオルムス、ヘルグヴァールの困惑も激しかった。
砂礫を蹴立てて駆けつけたヴェイズルーグの前には、月の門を見上げる3人がいた。
零から歩む者ブラグドマイヤー・ネクサス、新たな月の試練の達成者。
そして残る2人は地に横たわる、魔宝竜皇ドラジュエルド・マグナスと紫炎の幻真獣カルヴァネイル。彼ら2人は幻世界のユースベルク“龍吼燎騎・幻影”との戦いに勝利し、消耗した心身をここ月世界で癒していた……はずだった。
「なぜカルヴァネイルまでがここに?ドラジュエルド老、これはどういう事か」
「ワシにもよう分からんが」老竜は眠たげに微笑んで続けた。
「横で休んでいるこの若者の話を聞いておったら、助けてやりたくなってのう。そこで月の門で休んでおったカルヴァネイルにも呼びかけたのじゃ。何かできることはないかと」「私も確かにその願い、聴き取りました」
2人の証言と、ドラジュエルド老の推測にヴェイズルーグは首を振った。
「それで月の門が緊急始動して月の試練を課したというのか。しかも“真の覚醒”を終えた幻真獣がもたらされるなど」「ブラグドマイヤーの思いに、私の最後の力を与えたのです。月の門がその意思を汲んで機会をくれた」
カルヴァネイルはそれだけ言うと目を閉じた。
その身体は月の薄い大気に溶け込むように消えてゆく。その記憶と魂はおそらく、原初の存在である月の門へと帰還するのだろう。
「ワシもビックリじゃ……むぅ」
続いて、がくりとドラジュエルドの頭が落ちる。
「そうか。2人とも本当に見事だった。君たちの功績は月の門に刻まれ、永く語り継がれるだろう。どうかこの月世界で引き続きゆっくり静養してくれ」
しみじみと呟いてから視線を戻したヴェイズルーグは、ブラグドマイヤーが天を見上げているのに気がついた。
「クレイで戦うには幻真獣が必要。あなたはそう言った」「いかにも」
月の門から何者かが身を乗り出し、こちらに降りてくる。ヴェイズルーグはようやく本来の落ち着きを取り戻して言った。
「しかし今回、君に幻真獣がもたらされる経緯は異例のことだ」
「だがオレは試練のために戦い、そして今、幻真獣が降りてきている」
「よろしい。では準備を整えてから惑星クレイまで送らせよう。君が救いたいと言っていた相手の元に。……ブラグドマイヤー」「何か」
ヴェイズルーグは幻世界からの帰還者、現実世界の戦士の肩に手をかけた。
「君と知り合えたことを誇りに思う。存分に戦ってくれ」
そしてブラグドマイヤーは答えた。
「ありがとう」
──現在。ファントムドーム『ドラゴンエンパイア』闘技場。
「それでやって来たという訳か。臨時起用の幻真獣よ」「そうだ」
アルファルドの雷撃を鎌で弾き続けながら、幻真獣は冷静だった。グリヴァルディは会話に応じながら、その背後にブラグドマイヤーをかばう余裕を見せている。
「確かに、呼ばれたのは急であり彼に加護を与えたのも最近のことだが、それは我ら“零”の強さとは関係ない。零の幻真獣グリヴァルディの名にかけて」「……グリヴァルディ」「構うな、集中しろ」
この場の幻存在の中でアルファルドだけが、零の幻真獣の虚勢を見破っていた。かけた言葉はブラグドマイヤーへのものだ。
「なぜ戦う!現実世界の貴様は悲しみから生まれ、その飢える本能の赴くまま全てを呑み込むに至った。世界線の彼方へと消えた、おまえが滅ぼした世界。それを悔いない日はないと言っていただろう!」
「そうだ。オレたちはこの幻世界で友として語り合った。現実世界の辛さと、そして理不尽を。絶望の底から見た周りの暗さを」
ブラグドマイヤーはようやく円形の地の利を活かし、幻真獣グリヴァルディと左右から相手を追い詰めにかかっていた。
「そうだ!我らの居場所はここだけ!ここにしかないのだッ!!」
「だが!オレには帰るべき所があり、共に過ごす仲間がいる!全ての人々を自らの手で癒す美しい幻以上に、それがオレの大切な現実だ」
ブラグドマイヤーは力強く宣言した。
「アルファルド。前に進むべき時だ。我らと共に現実に、零へと還れ!」
「貴様……」
アルファルドは狙い澄まし、ブラグドマイヤーと幻真獣を引きつけ、同軸線上になる瞬間を捉えた。この距離なら外さない!
黙していた観衆が勝利を予感し、今日初めて歓声をあげる。
「くらえ!バニシングレイ・ボルテッカ──」
その刹那、ブラグドマイヤーはアルファルドの予想をはるかに超えるスピードで迫り、剣を突き出した。
「させぬっ!」
雷撃のシールドを緊急発生させ、ブラグドマイヤーの突撃を受け止めるアルファルド。
だが、その横から滑り込む影があった。
グリヴァルディか!気がつかぬとは我が不覚!
アルファルドが心に叫ぶと同時に、幻真獣の鎌が穿雷竜の胴を薙いだ。
黒い光と雷撃が爆発した。

Illust:DaisukeIzuka
ファントムガーディアンの敗北。
熱狂していた観衆はまるで夢から醒めたように立ち上がり、それぞれの持ち場へと戻っていく。
幻世界の修正力は、穿雷竜アルファルド “幻影”の記録と記憶さえも「無かったことにする」のだろう。
「俺は、この世界で……」
彗星竜アルファルドは明かりが落ち、静まりかえった闘技場の床に横たわっていた。
深く長い息。それは全てを得、全てを失った者の嘆きだった。
両手を見てもあのエリート戦士の面影はない。
「もう何もない。俺には誰も見向きもしない、何でもない存在なんだ」
その手が掴まれる。ブラグドマイヤーだ。
「そんなことはない。オレがいる」
彗星竜は零の運命者を見上げた。彼は跪き、友を迎えていた。
「お前はオレの友達だ。オレは裏切らず、その背中を支え、共に歩んでいく。現実の世界で」
孤独だった放浪者アルファルドは目を閉じた。ブラグドマイヤーもまた。
戦士は涙を見せないものなのだ。
「ブラグドマイヤー、そろそろ時間だ」
静かに2人を見下ろしていた幻真獣グリヴァルディが促した。
「帰還するのか」「ああ」
ブラグドマイヤーは携えていたスマートフォンをタップした。
「退場だ。我々の出番は終わった」「どういうことだ」
すでにその姿が消え始めている零の幻真獣グリヴァルディが答えた。
「我らは紫炎の幻真獣の最後の力を受け取り、ここに来た」「では、やはり……」
そうだ。ブラグドマイヤーは頷いた。
「残されていた力は、先ほどの戦闘で尽きた。オレもグリヴァルディも、もうこの惑星クレイ世界での戦い、幻真星戦には介入できない」
「彼は友のためだけ、このひと時のためだけに全てを賭けたのだ」
「ブラグドマイヤー……」
零の運命者は手を挙げた。それは友であるアルファルドに、そして頼れる相棒グリヴァルディに応える仕草だった。
「行こう、友よ。語るべき時間はたくさんある」
そして3人の姿は消えた。
まるで何もなかったかのように、氷雪のただ中に聳えるファントムドーム『ドラゴンエンパイア』から。
おそらくは永遠に。
了
※時間の単位は地球のものに換算した。※
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《今回の一口用語メモ》
幻真獣とその加護/ファントムガーディアン──幻真星戦での勝敗について
今回本編でも触れられているが、幻真星戦で戦う現実世界/幻世界、2つの陣営とその勝敗が、幻真獣とその加護を受けた者、そしてファントムガーディアンにどのように影響するかを見ていきたいと思う。
幻真星戦とは、惑星クレイの未来をかけて、現実と幻が鬩ぎ合う戦いだ。
★現実世界と幻真獣
現実世界の抗戦者(月の試練達成者)にはいずれも幻真獣とその加護がついている。月の門で真の覚醒をとげた幻真獣は幻化に対抗する力をもつ、いわばウィルスに対するワクチンのようなものである。これによって現実側のファイターは幻世界/ファントムドームに侵入し、ファントムガーディアンと戦うことができる。
★幻影存在とファントムガーディアン
幻世界に取り込まれた現実世界の者は「幻影」になる。
そしてこの時に、何らかの変化がもたらされる。※ユニットストーリー228《今回の一口用語メモ》ファントムユニットの幻化について←を参照のこと※
幻真星戦で、幻世界を代表して戦うのはファントムガーディアン。
幻影の中でも、ひとつの国家を代表するほど特に秀でた力を持つ者だが、もう一つ、他の幻影は忘れている「現実世界の記憶」があるという点でも特別な存在だ。
★幻真獣の消耗と月の門
ここまで勝利数でも、現実世界に有利と思える幻真星戦の展開だが、現実側にも大きな不利はある。
それは幻化に対するほぼ唯一の対抗手段といえる幻真獣の消耗だ。対するに幻影には今までの所そうした制限はなく、赫月の光を力源として、どこからか湧き出す白い霧と共に、現実世界を侵食してゆく。
順番に並べてみると……
赫月病の予兆が観測される。
→幻真獣が認める者の選抜として《月の試練》が行われる。
→赫月病が発症。
→いわば対赫月ワクチンとして機能させるため幻真獣を月の門に収容し《真の覚醒》をさせる。
→幻真獣とその加護を受けた者には幻化に対抗する力が得られる。
→ただし真の覚醒を迎えた幻真獣は急激に消耗するため、一定期間で月世界に帰還するか、力が尽きる前に「緊急退避」させる必要がある。
……というもの。
ただ今回は例外的に、カルヴァネイルからグリヴァルディへと力の継承がなされたのだ。
バヴサーガラがドラジュエルドに贈った言葉は
→ユニットストーリー202 赫月篇第3話「魔宝竜皇 ドラジュエルド・マグナス」
にある。赫月病発症と白い霧発生よりもかなり前のことだが、封焔の巫女バヴサーガラには現在の状況を予感するものがあったのかもしれない……。
幻存在となったブラグドマイヤーと現実世界への復帰については
→226幻真星戦篇「救済の零 ブラグドマイヤー “幻影”」
を参照のこと。
穿雷竜 アルファルド “幻影”については
→228幻真星戦編「万化の幻真獣 ウルティニアス vs 穿雷竜 アルファルド “幻影”」
を参照のこと。
《月の試練》とその達成については
→ユニットストーリー190 朔月篇第14話「奇跡の幻真獣 リフィストール」
を参照のこと。
零の虚と、レザエルがブラグドマイヤーをそこから惑星クレイ世界に連れ出した経緯については
→ユニットストーリー140 運命大戦第14話「零の運命者 ブラグドマイヤー」
ユニットストーリー141 運命大戦第15話「奇跡の運命者 レザエル III《零の虚》」を参照のこと。
リィエル記念病院におけるブラグドマイヤーについては
→ユニットストーリー176 朔月篇第1話「奇跡の運命者 レザエル VI」
ユニットストーリー187 朔月篇第12話「零から歩む者 ブラグドマイヤー・ネクサス」
ユニットストーリー200 赫月篇第1話「奇跡の運命者 レザエル VIII」
ユニットストーリー211 赫月篇第10話「聖なる時の運命者 リィエル゠ドラコニス II」
を参照のこと。
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本文:金子良馬
世界観監修:中村聡
世界観監修:中村聡