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『知識は宝、言葉は剣(つるぎ)』。我らはこの惑星クレイを巡り、失われた記憶の断片を拾い集めるのだ。
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(ふっ、決まった)
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ってカッコつけてる場合じゃないですよ、セルセーラ様。ボク達まぁた道に迷ってるんじゃないですか。
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これだけ共に旅をしていてもまだ判らぬのかアリウス。最短距離かつ最速で目的地に着くのは旅ではない唯(ただ)の「移動」だ。
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ああそうですか。それにしても師匠ってホント方向オンチですよね。魔法使いなんですから物見の術とか……(ブツブツ)
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黙れ、未熟者。オマエの科学アイテムとやらも電池が切れたら唯(ただ)のガラクタではないか。
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師匠、それは言わないお約束……
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我には魔法の力と賢者の杖マクガフィン、そしてむーちゃんがいる。オマエはただの弟子、見習い、超・超下っ端なのだ、良くわきまえよ。
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ボクって杖以下!?ムーンバックに至ってはそれ、首の周りについてるフワフワのことですよね!?
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むーちゃんをバカにすると許さぬぞ。ムーンバックは実体を現せば一騎当千、最っ強の獣(けもの)なのだ。オマエなどひと呑みにしてくれる。
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弟子に獣(ケダモノ)けしかけるの止めてもらえます?
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ふん、生意気なことを言うからだ。ほれ、謝ってまた教えを乞うがよい。
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……申し訳ございませんでした。よろしければまた師匠にお教えいただきたく存じます、セルセーラ様。
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んー、それだけか?いつものはどうした?いつものアレは。
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えー、またアレですか?
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師匠の気分を盛り立てるのも弟子の大事な務めであろう。
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……。おぉダークステイツ国の至宝にして、太古より現在に至るまで惑星の記憶に通じる者、唯一無二空前絶後前代未聞の大賢者、『知の探求者セルセーラ』様。何卒お知恵をご教授くださいませ。
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よかろう。これからも我について来るがよい不肖の弟子よ。(おお心地よいのう……)
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はぁ……
世界観
World
世界観コラム ─ セルセーラ秘録図書館