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ユニット

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短編小説「ユニットストーリー」
244「魔獄棘臣 ミルメス」
ダークステイツ
種族 ヒューマン


Illust:まるえ


 魔獄。
 暗黒の国ダークステイツ西部、その最北部に突き出た半島はそう呼ばれている。
 魔獄の北端。昼なお暗い森をかき分けて岬の先端に立てば、対岸はもうケテルサンクチュアリ。
 垂れこめる瘴気の向こう、霞んで見える島影はポルディーム大島だいとう。領都ポルディームが置かれる西方最大の島であり、天輪聖紀において(島としては)最大の領地変動の一つだ。
「お待たせ!ファヴルニールサマがお呼びだよっ!」
 場違いな明るい声に振り向けば、目の前に踊る真紅の花弁と螺旋を描くつる、そしてそれを短い杖先で巧みに操る一人の少女が見えるはずだ。あなたは呆気にとられながら、こう考えるかもしれない。『この暗黒の森に咲いている花なんてあっただろうか?』と。
「わたしはミルメス。みんなの前ではちゃんと『魔獄棘臣けいしん』をつけて呼んでね♡」
 くるくる舞うつると花びらに囲まれ、あなたは彼女から目を離せなくなる。
 いや実際、蔓はあなたの胴体にしっかり巻きついて締め付けているのだ。これは一体……。
 魔の獄に芽吹く、凶舞の茨牆ししょう
 長い髪を揺らして微笑むミルメスは幻想的で美しく、そして危険だ。この森のように。
「さぁ、ついて来て。ファヴルニール様の所に案内してあげるから。……あ、感謝してよね。わたしが一緒でなければあなた、話も通じないキマイラに食べられちゃう所だったんだから」
 こうして拘束されたあなたと美しい異能者の少女──魔獄棘臣 ミルメス──は、森の奥へと歩き出す。
 その先に待つ、魔獄の主の元へと。

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<ユニット紹介>
 魔獄棘臣 ミルメス
 ダークステイツ生まれ。16歳女性、人間ヒューマン
 (天輪聖紀以前でいう)ダークイレギュラーズ。
 異能者として生まれながらに「自在に植物を芽吹かせ、意のままに操る」能力を持つ。しかも彼女が育てる植物の素には肥沃な大地や水を必要とせず、乾いた砂や硬い岩の隙間に潜む小さな種や根の名残でも十分なのだ。
 本編でも登場しているように、お気に入りはつる性植物であり、攻撃と防御、拘束にもその丈夫な繊維とトゲを武器として使う。
 その性格は、魔獄の住民としては無邪気で人懐っこい。他国の基準でいうと、傍若無人で残酷とも言える。
 なお彼女の肩書き「魔獄棘臣」が意味する立場については、次のユニットストーリーを参照のこと。

 天輪聖紀のダークイレギュラーズと、その主な就職先となっている職業的傭兵については
 →ユニットストーリー006「重力の支配者 バロウマグネス」
  ユニットストーリー018「異能摘出」
  ユニットストーリー074 世界樹篇「アトラクト・インヴァース」
  ユニットストーリー103 龍樹篇「麗酷なる魔公子 バティム」
  ユニットストーリー157 「天意壊崩 バロウマグネス」
  ユニットストーリー220「ソーマタージ・プロディジー」
 を参照のこと。

《関連ユニット紹介》
 グニダルヘイズ・キマイラ

 魔獄で見かけられるグニダルヘイズ・キマイラ(下図)は、ファヴルニールのかつての住み処だった荒野の名前(地名)であり、その一帯に棲息していた獣がファヴルニールと共に「魔獄」まで共に落ち延びてきた例である。それ故に、同じキマイラのスクウォリッド・フリークスと比べても、剣聖騎竜に対する恨みは深く、主への忠誠心も絶対であり、士気も異常に高い。
 ファヴルニールの住み処だった土地と魔獄、そして宿敵である剣聖騎竜 グラムグレイスとの関係は、今後のユニットストーリー「魔獄竜帝 ファヴルニール」で公開される。


Illust:テッシー


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本文:金子良馬
世界観監修:中村聡