-
アリウスよ。ついにやってきたぞ。ここがケテルサンクチュアリの首都、天空の浮島ケテルギアだ。
-
凄い……これ全部、人が作り上げたものなんですね。
-
オマエがいつも田舎ばかり行くとボヤくので連れてきてやったのだ、感謝せよ。
-
ありがとうございます!(言い方は相変わらずだけど、これも師匠なりの思いやりかな)
-
ケテルギアは9つの浮島から成る町だ。それぞれの浮島は常に位置を変えているが互いにぶつかることはない。
-
ボクは科学者ですけど、ここまでの巨大な島々を空に浮かべる力なんて……想像を超えています。
-
魔法使いの我とてそうだとも。ま、さすが古くはユナイテッドサンクチュアリと呼ばれた神聖国家、科学と魔法の力の粋を集めた偉大な建造物だな。
-
あれ、今なにか空を横切っていきましたよ。鳥かな?
-
見えたか。あれがクラウドナイトだ。
-
クラウドナイト?
-
天上騎士団《クラウドナイツ》。この首都ケテルギアに本部があり、ケテルサンクチュアリを国内外の脅威から守るために結成された組織だ。
-
あ、天上の騎士は単数形だから《クラウドナイト》なんですね。
-
どちらで呼んでも間違いではない。なお、彼らが空を飛べるのは甲冑の力によるものらしい。
-
ふーん。たぶん何らかの推進装置がついているんですよね。動力は何なんだろう?
-
なんだその推進装置とか動力というのは。鎧に付与された魔力による飛行で良いだろうが。(これだから科学者なるものは)
-
あ……まぁそうとも言えますね。(科学と魔法の関係って難しい)
-
翼があしらわれた武器とあの飛行できる甲冑がクラウドナイトの目印というわけだ。
-
ま、また飛んでいきましたよ。格好いいなぁ、クラウドナイツ。
-
ちなみに入団資格に種族の制限はないらしいぞ。オマエも応募してみるか、アリウス。
-
あ、遠慮しておきます……実はボク、高いところが苦手で。
-
ほーう……そうか。では、ほれ!
-
あーっ!師匠やめて!押さないで!ここ雲の上ですよ。落ちたらどうするんですかっ!?
-
大丈夫。その時は魔法で空に浮かせてやるから。雲のように。
-
そういう問題じゃありませんよーっ!
世界観
World
世界観コラム ─ セルセーラ秘録図書館